本資料の内容は、次の製品およびバージョンに対応しています。但し、文章内は、一部の製品を例に記載しています。
基礎の土間下全面に断熱材を施工する場合は、どのように設定したらよいでしょうか
基礎の線熱貫流率Ψの計算では、土間中央部の熱損失は外皮平均熱貫流率(UA)に加算しないとなっており、水平方向に断熱がある基礎については、外周部から0.9mを越える場合は0.9mとして計算する規定があります。 |
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したがって、外皮仕様設定ツールの基礎等の設定における部材仕様設定では、基礎等の底盤部分等の室内側(または室外側)に設置した断熱材の水平方向の折返し寸法W2(またはW3)に、900mmを超える数値を設定しても900mmで計算され、線熱貫流率は変わりません。 |
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また、土間部全面に断熱材を敷設している場合は、床断熱とみなし、土間天端より基礎天端までの部分(土間コンクリートより上部の基礎壁)を、外皮面積の合計(ΣA)に算入します。 |
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外皮性能計算では、土間部全面に断熱材を施工する場合の、土間コンクリート天端より上部の基礎壁の面積は自動計算されませんので、数量補正での追加が必要です。 数量補正では「基礎高400mm超部」を使用して、面積を追加します。 |
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【操作手順】 |
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① | ツールバーの「数量補正」をクリック ※「ツール(T)」→「数量補正(U)」を選択しても構いません。 数量補正の画面が開きます。 |
② |
「屋根/天井、外壁、床、基礎」の表の下にある[追加]ボタンをクリック 1行に初期値が追加されます。 |
③ |
「外皮種類」で、プルダウンメニューから「基礎高400mm超部」を設定 |
④ |
同様に「方位」「仕様」「隣接空間」についてもそれぞれクリックし、プルダウンメニューから選択 ※「仕様」の項目は、「外皮仕様設定ツール」にて設定・追加している断熱仕様から選択が可能です。 使用したい断熱仕様を「外皮仕様設定ツール」にてあらかじめ追加しておいてください。 |
⑤ |
「外皮面積」に数値を入力 外皮面積は自動計算されませんので、算出した値を直接入力してください。 |
⑥ |
各方位毎に、②から⑤を繰り返して追加 ※画像の設定項目や数値は追加例です。 実際に使用する項目や数値に基づき、設定を行ってください。 |
⑦ |
追加設定後、[OK]を押す 数量補正の画面が閉じます。 |
⑧ |
「外皮性能計算」または計算結果の「再計算」をクリック 数量補正で追加した面積および設定項目が、計算結果の外皮面積および各項目の設計値に反映されます。 ※追加した数値が小さい場合、各項目の設計値の計算結果にほとんど影響しないこともあります。 ※数量補正で追加した部材は、部材設定一覧およびリアルタイム3Dビューワには表示されません。 |
⑨ |
図面出力し、図面編集に読み込んで任意に編集 出力した図面の各表には、「*」マークがついた補正部材として明記されますので、必要に応じて編集を行って下さい。 ◆UA値ηAC値計算表の「外皮平均熱貫流率(UA値)計算表」および「窓の日射熱取得量(冷房期)」 ⇒数量補正を行っている箇所には「*」マークが明記されています。 ◆ηAH値計算表の「窓の日射熱取得量(暖房期)」 ⇒数量補正を行っている箇所には「*」マークが明記されています。 ◆部位別面積表(開口部等) ⇒「外皮(数量補正)面積表」として別に表示されます。 また、外壁図の図面には、数量補正にて追加した部位は表示されませんので、任意に編集してください。 |
【参考】 土間全面に断熱材を施工する場合の規定では、土間天端より基礎天端までの部分は、外皮面積の合計(ΣA)に算入しますが、面積が小さいので、貫流熱損失の計算には加算しなくても構わないともしています。 外皮性能計算では、部材設定一覧の「土間床・基礎」で、該当する土間床の部屋の面積に加算することで、外皮面積の合計(ΣA)のみに算入することができます。 面積手動設定を自動計算から手動計算に切り替え、面積の数値を直接編集、または計算式に追加することで面積に反映されます。 |
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【出典】 一般社団法人 日本サステナブル建築協会「住宅・建築物 省エネルギー基準」 |