建築パースとは?
作成方法と素材やCGパースの見本、おすすめソフトを解説ビジネスコラム
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建築CADの進化や建築パース作成用のソフトの普及により、高品質な建築パースが短時間・低コストで作成できるようになりました。SNSや動画サイト等を通じて建築パースに触れる機会が増え、住宅購入を検討されているお客様も「完成イメージを確認できるのは、もはや当たり前」と考えられる時代になってきています。
住宅の間取りやデザインは複数の提案をすることが一般的なため、各案のイメージをスピーディにお施主様に伝えるためにも、建築パースの作成を効率化することが重要なポイントといえます。
本記事では、建築パースを作成する方法や見本、おすすめのソフトについてご紹介します。
建築パース(建築パース図)とは?
建築パース(建築パース図)とは?
建築パースは、建築物の外観や内観(室内)、空間構成を立体的に表現した視覚的なイメージ図のことを指します。平面図や立面図だけではイメージしにくい空間の広がり、デザインを直感的に理解できるため、お施主様への提案時に利用されることが多く、また、パンフレットやWebサイトなどの広告宣伝用としても幅広く活用されています。
建築パースには主に手書きとCG(コンピューターグラフィックス)の2種類があります。手書きパースは、CGパースが普及する前までは主流であり、やわらかな質感と温かみのある表現が魅力で、現在でも一定の需要があります。CGパースは、パソコンやソフトウェアの進化により、スピーディかつリアルに作成できることから、現在の主流となっています。
近年では、建築CADにCGパース作成機能が搭載されたソフトも広く普及しています。
建築パース(建築パース図)の見本
建築パースを作成する方法
建築パースを作成する方法は、大きく分けると以下の3つになります。
建築パースソフトを利用して現在主流となっているCGパースを作成する方法と、従来の技法である手書きで作成する方法があります。それぞれのメリット・デメリットをふまえて解説します。
- 建築パースソフトで作成する
- 自分で手書きパースを作成する
- 建築パース作成を外注(制作依頼)する
建築パースソフトで作成する
建築パースソフトとは、建築物やインテリアデザインの立体的なイメージをコンピューター上で作成するためのソフトウェアです。平面図などの2D図面を基に3Dモデルを生成し、建物の外観や内観、周囲の環境などをリアルにビジュアル化できます。
近年、建築パース作成機能を搭載した建築CADソフトが多く存在しています。これらのソフトでは、平面図などの図面と建築パースが連動しており、図面を作成すると同時に建築パースも自動で生成されます。設計変更があった場合でも、建築パースを手動で修正する手間が省けるため、大変便利です。
また、建築パース作成機能がない建築CADソフトを使用している場合でも、平面データを建築パース対応の建築CADソフトに取り込むことで、簡単に建築パースを作成できます。
建築パースソフトを使う場合の作成手順
建築パースソフトによって手順は異なります。ここでは、建築パース作成機能を搭載した建築CADソフトを例に解説します。
1.平面を入力
まずは、平面図を入力します。平面図は部屋の区画を入力すると壁が自動で生成され、ドアや窓などの建具も形状やサイズを確認しながら簡単に配置できます。屋根の入力は、3D表示で形状を確認しながら直感的に配置できます。入力データはすべて3次元情報を保持しているため、平面図や屋根伏図と同時に建築パースが自動生成されます。
また、平面図の入力の際、木造住宅向けの意匠CADやプレカット生産CADと連携するためのCEDXM(シーデクセマ)形式のファイルを読み込めるソフトもあります。さらに、DXF形式やJWCADのデータ、手描きの図面を下図として利用できるものもあります。

2.部品や点景を配置
平面図を入力した後は、建築パースに彩りを添える家具や照明などの部品や、樹木・人物といった点景を配置します。高さや奥行きを考慮しながら自由に配置でき、理想の建築パース作成をサポートします。
建築パース作成ソフトには、豊富な部品や点景素材が搭載されていることが多く、それらを活用することで、短時間で暮らしのイメージが伝わる建築パースを作成しやすくなります。

3.外壁材・屋根材・内装材などのテクスチャ素材を変更
次に、好みの外壁材・屋根材・内装材などのテクスチャ素材を建築パースに反映していきます。建築パースソフトによっては、実際のメーカーの商品が品番とチップで搭載されており、素材を選択するだけで建築パースに反映できるものもあります。

4.視点を調整しレンダリングを実行
平面図上でポイントを指示したり、建築パース上をマウスで操作したりして、表現したい箇所に視点を合わせます。視点を決めたら、レンダリングを実行します。
レンダリングには、「レイトレーシング」や「V-Ray」など、精度や処理時間の異なる複数の方式があります。美しい建築パースを短時間で作成するには、建築パースソフトの機能に加え、高性能なパソコンが必要です。中でも、「V-Ray」は、陰影が美しく、処理時間も速いためおすすめです。

5.完成した建築パースを保存
レンダリングを実行後、完成した建築パースをJPGやPNG形式で保存します。建築パースは、一般的には静止画として保存しますが、近年では建物全体をデータとして保存し、パソコンやスマートフォンで視点を自由に変更しながら閲覧できる建築パースソフトも登場しています。

※画面イメージは建築CAD「A's(エース)」の画面をサンプルにしています。
建築パースソフトを使う場合のメリット
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図面の情報が正確に反映され、設計変更時も図面と連動して更新できる
設計図面の情報から立体形状を認識し、建築パースを生成できるため、寸法の誤差を防ぐことができます。また、設計変更が発生した際も、図面と連携して自動更新されるため、修正作業の負担を大幅に軽減できます。
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平面図や立面図、断面図などの2D図面と建築パースを同時に作成・修正できる
建築パースと2D図面が連動しているため、一方を修正すればもう一方も自動的に更新され、設計の整合性を維持しやすくなります。これにより、手入力による修正ミスを防ぎながら、設計作業を効率化できます。
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壁紙などの素材や、窓・ドアなどの建具のパーツが揃っており、建築パースに適している
建築パース作成機能が搭載されている多くの建築CADには、建築設計に必要な壁紙などの素材、窓・ドア・家具などの素材やパーツが揃っており、短時間でリアルな空間を構築できます。さらに、実際のメーカー素材を利用することで再現性の高いパースを作成することが可能です。
建築パースソフトを使う場合のデメリット
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ソフトの購入費など初期投資が必要
建築パースソフトは高機能なものほど価格が高く、導入時にまとまったコストがかかります。さらに、高品質なパースを作成するためのレンダリングエンジンはオプション扱いになっている場合もあり、トータルでの投資額が大きくなることがあります。
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ソフトを扱うための専門知識が必要
自動生成された建築パースをそのまま使用するだけでなく、目的に合わせて調整・修正するには、ソフトの操作や編集のスキルが必要になります。特に、建築パースを自分の考えた通りに表現するための手順や方法を理解しておくことが重要で、スムーズな作業のためには継続的な学習が必要になります。
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多機能であるがゆえに、ソフトをフル活用できない場合がある
高度な機能が備わっているものの、全てを使いこなせるとは限らず、一部の機能しか活用できないケースもあります。結果として、業務に必要な機能だけを使うことになり、コストパフォーマンスが十分に発揮されない可能性があります。
自分で手書きパースを作成する
手書きでパースを作成する場合、パースの基本となる透視図法の知識や、スケッチ力・構図のセンスなどが求められますが、その分「描き手の個性」や「温かみ」が伝わる表現が可能です。特に初期提案やラフ案では、柔らかく親しみのある印象を与える手書きパースが重宝される場面もあります。
一方で、修正や複数枚作成するには手間がかかり、クオリティは描き手のスキルに大きく左右されます。また、写真のようによりリアルな表現が求められる場合や、作成時間がないときは、手書きパースが向かないこともあります。
必要なスキルとツール
手書きで建築パースを作成するには、いくつかのスキルとツールが必要です。
まず欠かせないのが、透視図法(パースの描き方)に関する基本的な知識です。一点透視図法、二点透視図法、三点透視図法といった描画のルールを理解し、立体的な空間を正確に表現する力が求められます。また、平面図や立面図から空間構成を読み取り、立体化する想像力や空間認識力も重要です。
ツールとしては、鉛筆やシャープペンシル、製図ペンなどの描画用具のほか、スケール(縮尺定規)や方眼紙、トレース台などの製図用具を用いることが一般的です。さらに、表現力を高めるために、カラーマーカーや水彩絵の具、色鉛筆なども使われます。
手書きパースのメリット
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温かみや個性を表現できる
手書きならではのタッチは、CGにはない柔らかさや人間味を演出できます。設計者の想いや空間の雰囲気をより感覚的に伝えることができ、見る人に親しみを感じさせる効果があります。
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初期提案やラフ案にスピード感をもって対応できる
ラフスケッチとして描くことで、短時間で空間イメージを共有することが可能です。アイデアをその場で描きながら打ち合わせを進めることができるため、お施主様とのコミュニケーションが円滑になります。
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低コストで作成できる
建築パースソフトのように、専用のソフトや高性能なPCを導入する必要がないため、初期投資が少なく済みます。基本的な製図道具があればすぐに始められるため、技術さえあれば導入がしやすい手法です。
手書きパースのデメリット
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修正や変更対応に手間がかかる
一度描いた絵を修正するには、消しゴムで消す、描き直すなどの工程が必要で、デジタルのように簡単に差し替えたり編集したりできません。細かい仕様変更やバリエーション提案が頻繁に発生する場面では不向きです。
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クオリティが描き手のスキルに大きく依存する
立体感や遠近感、質感の表現などは、描き手の技術や経験に大きく左右されます。誰もが一定の品質で描けるわけではなく、経験の浅い方が描くと、伝わりにくいパースになってしまう可能性があります。
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デジタルデータとしての活用に一手間かかる
紙に描いたパースは、そのままではオンライン資料やSNS投稿などに活用できません。用途を広げるためには、スキャンや写真撮影によるデジタル化が必要であり、その分手間がかかります。
建築パース作成を外注(制作依頼)する
建築パースの作成を外注する際は、外注先にこちらの要望や思いを伝達する力やコミュニケーション能力が重要になります。外注では、費用・納期・修正回数などが事前に決められているケースが多いため、柔軟な修正対応が難しくなることがあります。そのため、最終的なイメージの確認として建築パースを外注するなど、コストを抑える工夫が求められます。
また、外注先によっては仕上がりの雰囲気がイメージと異なったり、クオリティに満足できなかったりする場合もあるため、業者選びも慎重に行う必要があります。事前に過去の制作実績を確認し、自分の求めるパースの雰囲気やクオリティと合致しているかをチェックすることで、外注後のトラブルを防ぎ、スムーズな進行が可能になります。
外注先を見つけるときの注意点
建築パースの制作を外注する際は、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
まず、自社のデザインイメージに合ったパースを作成できる業者を選びましょう。業者ごとに得意なテイストが異なるため、過去の制作実績を確認し、希望するクオリティに対応できるかを見極めることが大切です。
次に、コストや納期の確認も欠かせません。制作内容によって価格は異なり、納期が長くなることもあるため、事前にスケジュールを調整し、プロジェクトの進行に支障が出ないようにしましょう。
また、必要な資料や修正対応の条件も確認しておく必要があります。図面やイメージ写真の提供範囲を把握し、修正回数に制限がある場合は追加費用の有無もチェックしておくと安心です。
外注(制作依頼)のメリット
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高いクオリティでの仕上がりが期待できる
専門の制作会社やCGデザイナーに依頼することで、細部まで作り込まれたリアルな建築パースが得られます。照明や質感の表現にもこだわることができ、完成度の高いビジュアルを実現できます。
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パース作成の時間を別の作業に充てられる
外注することで、社内の設計者やデザイナーは企画や設計業務に集中でき、業務の効率化が図れます。特に短納期の場合やリソースが限られている場合などは、作業負担の軽減につながります。
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ニーズに応じた多彩な表現が可能(リアル、手描き風など)
外注先によっては、フォトリアルなCGだけでなく、手描き風やスケッチ調などの表現スタイルも選択可能です。プレゼンテーションの目的やクライアントの好みに応じて、最適なビジュアルを作成できます。
外注(制作依頼)のデメリット
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コストがかかる
外注する場合、自社で作成するよりも費用がかかり、依頼内容やクオリティによっては高額になることもあります。特に、短納期の対応や追加の修正が発生すると、さらにコストが増加する可能性があります。
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修正や調整に時間を要する
一度納品されたデータを修正する場合、外部とのやり取りが発生するため、自社で作業するよりも時間がかかることがあります。細かい調整が必要な場合、追加の修正依頼を重ねることでスケジュールが遅れるリスクもあります。
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イメージ通りに仕上がらない場合がある
依頼時の説明が十分でなかったり、業者の解釈が異なったりすると、完成した建築パースがイメージと異なる仕上がりになることがあります。そのため、細かい要望を事前に明確に伝え、修正のルールを確認しておくことが重要です。
建築パースの素材見本
ここでは、建築パースのクオリティを高めるために利用される素材の見本を掲載しています。建築パースソフトには、テーブルやソファなどの代表的な家具素材はもちろん、人や樹木などの点景素材、背景用の素材など多様な素材データを搭載しているものもあります。また、実在するメーカーの素材を搭載しているケースもあるなど、リアリティのあるパースを作成しやすくなっています。
家具












人物






樹木






背景






地場の工務店や設計事務所におすすめの
建築パースソフト「A's(エース)」
A's(エース)の概要
「A's」は、図面作成はもちろん、建築パースやプレゼン資料の作成、省エネ計算、積算機能など、多彩な機能を備えた建築CADです。直感的な操作で設計業務をスムーズに進めることができ、作成した区画に部屋名を指定するだけで、壁や柱、床高などの仕上げを自動生成できます。図面の変更時には関連する図面をリアルタイムに更新し、整合性を保ちながら設計の手間を大幅に削減できます。
さらに、プレゼン機能も充実しており、美しい建築パースの作成はもちろん、スマートフォンやWebを活用した多彩な提案手法を搭載しています。お施主様に対し、より魅力的で説得力のあるプレゼンが可能になります。
A's(エース)の特長
「A's」は、プラン入力と同時に3次元化を実行するため、一般的な3Dモデリングソフトを利用するよりも、素早く建築パースを作成できるのが特長です。導入費用はかかるものの、建築パースの作成を外注する必要がなくなり、毎回のパース作成コストを削減できます。また、修正や調整も自ら行えるため、長期間の利用を考えている場合におススメのソフトです。
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プランやデザインの修正をその場で確認できる
間取りなどのプラン変更や壁紙・床材などのテクスチャ変更を行った際もリアルタイムでパースに反映されるため、打ち合わせの場でも即座に修正・確認が可能です。
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スマホで住宅内を自由にウォークスルー
作成した住宅プランの3DCGデータをお施主様のスマホ・タブレットで読み込み、間取りの確認やウォークスルーができるスマホアプリを提供しています。お施主様はいつでもどこでもプランを確認できるためイメージの共有に最適で、訴求力もアップできます。
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お施主様専用ページで特別感のある提案が可能
図面やパース、その他必要な書類などをまとめてお施主様に公開できる「お施主様専用ページ」を作成できます。情報共有が容易になるほか、コミュニケーションツールとしても活用でき、お施主様に特別感を与える提案に繋がります。専用ページ上では、間取りやパースをブラウザ上で表示できる「WEBプレゼンボード」の公開も可能です。
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資産の活用と分業を後押しするデータ連携
「A's」以外のCADで作成したデータを、CEDXM形式で取り込むことができます。過去のプランデータを活用して、入力時間を短縮できるだけでなく、これまでの資産を有効に活かすことができます。また、CEDXM形式を利用することで、現在使用中のCADをそのまま活かしながら、営業と設計の業務をスムーズに分業することも可能です。
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安心のサポート体制
マニュアルやFAQなどのサポート用コンテンツが充実しており、操作に迷った際も専門スタッフによるリモートサポートを活用して迅速に問題を解決できます。

住宅内を自由にウォークスルーできるスマホアプリ

必要書類をまとめて公開できるお施主様専用ページ